BILLIKEN
CREATORS
OSAKA

INDIGO

Material : デニム

PROFILE

ACRAFT

Occupation: クラフトアーティスト

Activity base: 神奈川県

Web Site

CREATOR'S COMMENT

アメリカ人女性フローレンス・ プリッツが「夢の中で見た神様」をモデルに制作したと言われている。フローレンス・プリッツが目覚めてすぐに、自分の履いていたデニムを解体し制作した初めてBILLIKEN人形という "架空のストーリー" が今回のコンセプトだ。記憶が薄れぬ内に急いで制作したBILLIKEN、その荒々しさが人の温もりを感じる。履き古したデニムのみで作られている。またこの作品の裏コンセプトもある、"手づくりのよさ"しかし手づくりのよさと言うとき、たいてい、職人の精巧なものを考えてしまう。しっかりとした技術、そういうものに驚きを感じるが、最近そこに違和感を感じる、むしろ下手な素人の手づくりの方がいいと思う。その方がずっと人間的に身近だし、見ていると夢がひらくからだ。綺麗すぎるものはなんだか冷たくて、何か自分の外っ側にあるような気がしてしまう。本質的には自分から離れたものであるからだ。昔、手づくりしかなかった時代、職人の仕事は機械製品のようなものだったのだ。機械のように正確に、器用な手がロクロを廻し、木を削った、となると機械も手づくりも結局変わりはない。下手なのが平気で作ったものに、「手づくり」のほんとうのよろこび、人間的なふくらみがあるはずだ。 実は手先ではなく、心で作るのだ。情熱をつぎ込んで、ものを作る。楽しみ、解放感、そして何か冒険、つまり、うまくいかないのではないか、失敗するかもしれない、そういった不安をのり越えながら作る。そこに生活感のドラマがこめられている。心がなまなましく働いていることが手づくりの本質だと思う。子供のときには誰でも平気で作ったのに。大人はみっともないと自分で卑しめてやめてしまう。笑えるほど不器用であれば、かえって楽しいのではないか。どんどん作って、生活を豊かにひらいていく。そうすべきなのである。それは意外にも美しい。今日の空しい現代社会の中で自分を再発見し、自由を獲得する。